音が外れないように歌うには
歌っているとたまに迷子になってしまったり、最後の音がずれて終わったりすることがあります。
自分の楽器ではそんなことは起こらないので、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今日は、音が外れる中でも一番多く見られるケースについて、考えていきます。
調感覚を持っているか?
ひとつめのヒントは調感覚の有無です。
例えばヘ長調の曲を歌う時には、ヘ長調の感覚で歌わないと音が外れます。
なぜかというと各音の役目が変わっているのに、それを感じずに歌うことになるからです。
具体的な例を出すと、ハ長調におけるハ音は「主音」ですが、ヘ長調におけるハ音は「属音」になります。
そうなると、同じハ音でも歌い方が変わってきます。
私はよくお芝居に例えて生徒に話します。
同じ役者でも、役が変わったら演じる内容を変えます。それと同じことだと考えます。
普段は無意識でやっていることですが、もし無意識で出来ない場合は、頭で考えてその調の世界に入っていかないといけません。
音階が歌えるか?
調感覚が大事だということがわかったところで、次に確かめてほしいのが「音階」です。
「音階」は歌えるでしょうか?
主音をぽーんと鳴らして、そこからピアノなしで1oct.上下歌います。
長調と短調の音階がどの音からでも歌える人、それが音階が歌える人です。
音階が歌えないということは、調感覚が曖昧ということなので、その発展形である「歌」は難しいです。
「今更音階を歌うなんて!」そうなんです。これをやったことのない人も多いかもしれません。
基礎の一つなので、ぜひ歌えるようにしてください!
音階の中身
鍵となるのが音階だとわかったところで、次は音階の中身についてです。
音階では、各音の幅が以下のようになっています。
これを「全全半全全全半」と覚える(濁音だらけで音は面白い)のは勿論ですが、そんなふうに考えるのではなく、直感的に「ここが狭い」と感じてほしいです。
短調も同様で、すらすらできるまでさらいます。
楽器の練習でも音階がありますよね。
スケール練習が楽しいものではないことは私も同感ですが、あら不思議!、指運びがとても楽になります。実は歌でも同じように効用が得られます。
音階の中のドラマ
さて、こうなると音階を練習しないといけない気分になりますよね?
それでも「音階を練習するの?つまんなーい!」という方もいらっしゃるはず。
ここで、ほんの少しだけ音階練習が面白くなる要素をお伝えします。
皆さんは「ドレミファソラシド」を全て同じボリュームで歌いますか?
また、上行する時も下行する時も同じボリュームでしょうか?
それが曲でなく音階だとしても、音楽的に演奏するならば当然変わってくると思うのです。
上手な人は音階も素敵に弾きますよ〜!
こういう些細なことにセンスが出ます。
私は音階の中に1つとして同じ感覚の音はないというくらいドラマを感じます。
ポイントはやはり持っている役目です。役目を考えると同じ声の出し方にはなりません。
実はこの辺からがより音楽的でオモシロクなってくる!ので、ぜひマスターして次の段階へ行って欲しいです。
練習法
ここからは音階の練習法の紹介です。
1)音階を色々な調で弾く、もしくは自分の楽器で演奏する
ピアノ、もしくは得意な楽器で、耳を慣らすことから、どの調でもすらすら音階を演奏出来るようにします。ポイントは自分が楽な楽器でさらうことです。
2)音階を歌う時に全音と半音の位置を意識すべく、手唄をする
いよいよ歌に移ります。音程を意識して。手で音の高さを示しながら歌うことを手唄と呼んでいますが、音程を視覚的に把握するのにはもってこいの方法なのでオススメします。
3)苦手な場所をは決まってくるので、歌えない箇所を確認し集中練習をする
練習していると、例えば3・4番目がハマらないなど、苦手な場所がわかってきます。それがわかれば半分は解決したと言ってよいです。その部分を歌えるようにしましょう。
目的は音程を定めることなので、歌は「移動ド」でも「ラララ」でも良いです。
いざ曲を歌う時には?
音階ができたら次は曲の番です。
主和音をもらってから歌うのが常ですが、練習では、最初に音階を歌ってから歌い出すのがオススメです。
また、曲選びも重要!自分の得意な調からチャレンジしてみてください。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。