コロナ受難?

ヨーロッパがパニックになっていて、ちょっと前までのアジアのようです。
ハンガリーの友人Rからも重苦しいメッセージが届きました。

「こちらもはじまったよ、日本は今どんな感じ?」

「日本は2月後半が一番疲弊していたと思うよ」と書いて、ダイアモンドプリンセス号の話を書きました。
実は乗員に3名ハンガリー人がいて、うち2名は楽士でした。給仕をしていたひとりは下船後に感染が発覚し入院、2名の楽士も検疫で二週間留め置き、インタビュー記事には稀有な体験に対して悪いことは書かれていなかったのですが、さぞかし大変だったろうと思います。
https://www.blikk.hu/aktualis/kulfold/eloszor-beszelt-a-karantenrol-a-diamond-princess-muzsikusa/3q6e6zm?utm_source=hirstart&utm_medium=hirstart&utm_campaign=hirstart

気落ちしている友人Rに元気を出してもらおうと、相撲協会の公式ツイッターを教えました。今場所はコロナ騒動で力士の体育館からの外出が許されておらず、お昼はお弁当を食べているそうです。弁当写真を見ると力作揃いで、中にはキャラ弁まで。相撲好きの子なので楽しく見たようです。「うわぁ今日一番嬉しい出来事かも!ありがとう!」と返事が来ました。

さて、語学の勉強のつもりで調べたハンガリーの状況を少し書いてみます。
ハンガリー国内の3月20日の感染者数は85名。うち亡くなった方が3名。
今現在、囲まれた周りのどの国よりも感染者は少ないのですが、イタリアの状況が深刻ですし、ヨーロッパは地続きでつながっているので、3月11日には非常事態宣言が出されました。とりあえず15日間だそうです。
「ハンガリー国籍を有しない者のハンガリー国外からの入国を禁止」が出て、オーストリアと、またスロベニアとの国境では検問が再開されています。(どちらもその先がイタリアになります)

市民は仕事には行けますが、お店は朝6時から15時までの営業に限られます。例外はドラッグストアやスーパー、薬局、ガソリンスタンドなど。人数に関係なくイベントは中止、スポーツは無観客のみOK、学校は封鎖、公園も封鎖。通達には「70歳以上は家にいること」という内容も含まれていますが、従わない人もいてニュースになっています。でも独居老人は買い物に出ないわけに行かないので、非難というより同情されています。
学校は
休み扱いではなくオンライン授業に切替えなのですが、生徒の中にはスマホやパソコンを持っていない子供たちがいますし、親が仕事で家にひとりぼっちの子もいます。教師の戸惑いを伝えるブログ記事も目にしました。日本と同じように、急な変更に現場は混乱しているようです。

一方でほっとする話も。隣人の「買い物代行」をするというボランティアが拡がっています。リスク高と言われているお年寄りを支援するためです。
また、品薄のトイレットペーパーを題材にしたジョーク画像が拡散されています。ただでさえピリピリしていますから、少しでも笑えることがある、また笑っても許される空気が残っているのは良いことです。

コロナに関する情報は在ハンガリー 日本大使館の特設ページより
https://www.hu.emb-japan.go.jp/itpr_ja/coronavirus.html

今年の復活祭は4月12日。いまは「受難節」という時期にあたります。
本当なら演奏会でも受難曲だらけなのに、そこら中でキャンセルの嵐。
現実のコロナ受難とも重なり、何といったらよいのか…まぶしくも苦い春です。

日々のくらし

前の記事

びわ湖リング