びわ湖リング

コロナウイルスで世界中が憂いでいますが、そのおかげと言ったらよいのか、今日はすばらしい音楽体験ができました。

「びわ湖リング」とは滋賀県びわ湖ホールでシリーズで上演されていた、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』のことです。ホールの単独公演として毎年1本ずつ上演、今年が4部作完結の年だったそうです。

今回上演された 《神々の黄昏》には1億6千万の製作費がかかっていながら、自粛せねばならない状況。それをどうしたかというと無観客でのネットライブ配信、youtubeで無料ですって。なんて素晴らしい!

とはいえこの時期です。どれくらいの人がこんな重たいものを観るのかと思ったら、2日間とも1万人を超えていたそうです。ツィートの中には「はじめてオペラを観た」という書き込みもありました。潜在ファンの掘り起こしにも一役買ったかも?

ワーグナーの楽劇は長いことで有名。今日も13時に始まり5時間半、終わった頃には晩ご飯の用意をしなくちゃという時間。30分の休憩が2回ありましたが、その間に白玉だんごを作ったりして、家に居る特権を駆使したゆるい鑑賞を楽しみました。

ゆらゆらと流れるライン河の情景描写も面白かったし、オランダ絵画のような暗い色彩にもぐっと引き込まれました。プロジェクション・マッピングってキラキラした派手なことしかできないのかと思っていたら、あんなこともできるんだ。
最後は切なくて震えました。カーテンコールは画面の前で立ち上がって拍手しました。
まだ夢の中、興奮冷めやらぬ夜です。

びわ湖ホールプロデュースオペラワーグナー作曲《神々の黄昏》

https://www.biwako-hall.or.jp/performance/special/gotterdammerung202003.html