暗譜が苦手な理由を考えてみる

「暗譜が苦手!」という悩みがある人は、割とたくさんいると思います。努力しているのになぜできないのか?その理由は、そして解決策は何でしょうか?

とあるベートーヴェンのソナタで出てくる音を数えてみると、最初の1ページだけで400個弱もありました。膨大な量です。
これを私たちはどうやって覚えているかというと、音型やフレーズなどの単位に変換して(多くは無意識で)自分なりの把握を試みています。ある時まではそれで覚えられるのですが、長い曲になると限界がきます。

どうやったら覚えられるの?

自分なりの把握にもう一工夫加えます。それが一段大きな単位である「形式」です。
暗譜が苦手な人はこの「形式」をつかむ力が足りないことが多いです。形式がわかると頭が整理整頓されて隙間ができます。そうして更に覚えられる容量が増えていきます。

「形式はわかっているけれど覚えられない!」という人は、覚え方がぼんやりとしているかも?
例えば、何か尋ねられた時に「この辺り」ではなく「この音」と言えるようにすること。自分の中で曖昧な部分を減らすことが確実な暗譜につながるそうです。ぼんやり覚えは卒業です。

形式聴音

「形式聴音」は、1音ずつを聞いていく聴音とは違い、大きく塊を感じていく聴音です。「AA’」「ABA」など、どのように曲が出来ているのかを考えます。元々はハンガリーで体験した聴音でした。彼らは小さな頃からシンプルな2部形式をたくさん味わい、やがて長く複雑な形式も把握できるような耳に育っていきます。その過程でこの形式聴音が取り入れられていました。

形式の把握において「曲づくり」もお薦めです。下の画像はある日の課題で、前半4小節は暗記聴音、残りは曲を作りました。この日は「AA’」と「AB」の2種の形式で書くというお題でした。自分で作ってみることでより理解が深まります。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。