暗記・記憶聴音のレッスン
先日中学生に行ったレッスン例です。
この日の題材はラモーの「メヌエット」ハ長調でした。
このように課題は、普段つかう楽譜から選ぶことが多いです。
理由は私が書いた課題よりはるかに芸術的で、生徒にとっては作品を知ることにつながるからです。
中学生にしてはやさしい課題かもしれません。
難易度はその生徒にあわせて変えていきます。
暗記のレッスン方法
<準備>
調と拍子は最初に伝えます。
今回の生徒には7、8小節の左手部分は難しいので、あらかじめ答えを生徒のノートに書き込んでしまいます。こうして難易度は常に調節します。
<聞く>
まず一回聞いてもらって、どんな特徴があるか一緒に考えて、言わせます。
「前半と後半の右手が似ているけれど、左手は違う」などと、形式の特徴に気づくことができるのが理想ですが、なかなかそうはいきません。
一回弾いただけでわからない時は、もう一回弾いたり、ヒントをだして気付けるように声をかけます。
<暗記>
「3回弾く→生徒が覚えて弾く」を1セットとして、暗記できるまで何セットか繰り返します。
<書く>
弾けるようになったら楽譜に書き起こします。
「書いている最中に迷ったら、いつでもピアノに戻ってきてよいよ」と声をかけます。
実際に忘れてしまっても、ピアノに戻って弾くと手が覚えているので音を思い出せます。
<弾く>
書き上げたら普通は◯をもらっておしまいなのですが、私は生徒に書いた楽譜を見て弾いてもらいます。
実際に弾いてみると、正しく書けたか生徒自身でチェックできますし、それはもう一度音を注意して聴く機会にもなります。(フィードバック)
近くの調に移調したり、今回の曲のように続きがあれば、それを最後まで初見したり、さらに楽しみが続きます。
「暗記→書く」が出来るサインとは
暗記・記憶聴音では、本来は弾く工程なしに「暗記→書く」という力を付けないといけません。
ところがそんなに簡単ではないので、上記のように「暗記→弾く→書く」という1クッションを挟みます。
めでたく「暗記→書く」に移ることができるサインは、「3回弾く→生徒が覚えて弾く」を1セットで出来るようになった時です。
暗記の苦手な子は、5〜6セット繰り返しても覚えられませんが、絶妙に難易度を変えて、少しずつ出来るように導きます。
時間がかかる事柄のひとつで、年単位で成長をじっくり見守ります。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。