和声アレルギー

四声の聴音において、「すべての声部がくっきり聞こえる」という天才生徒には、いまだ出会ったことがありません。

やはりどの生徒にも和声の勉強が必要だということです。

ところが、和声には様々なルールがあって、覚えるのがもう大変!

多くの学生にいわゆる「和声アレルギー」が発症します。

私にも和声アレルギーの時代がありました。その頃に出会ったのが武蔵野時代の恩師K先生です。

4年次にたまたま受かった『選抜ソルフェージュ』のクラスで、猛烈にカデンツを弾かされました。

なぜこんなことをやらせるんだろうと思っていたのですが、K先生の口癖は「やった人にしかわからない良さがある」でした。それ以外言ってくれないで、ともかく弾かされたというのが本当のところ。

ただ今になるとわかるのです。先生は嘘は言っていなかったと。

カデンツ奏の恩恵は、分析に聴音に計り知れません。

と昔話をしたところで、私が一番最初に生徒に弾いてもらうカデンツは、Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰのカデンツです。

「小池松壽.実践で学ぶソルフェージュ.カワイ出版.2003.p45」

まず暗記、配置を変えたり、各調に移調したり、内声を歌いながら弾いたりします。

同時に理論のほうでも理解が進むとあらふしぎ、聴音の時にすこしずつ内声が聞こえ出します。

実は、ハンガリーに行ってからもよくカデンツを弾かされました。

その話についてはまた次回書いてみます。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。