聴音での音の聴き方
聴音ってどうやって聴いているの?
リズムや音感がある程度必要というのはわかるけれど、何か特別な聴き方があるのかな?
今日は初学者向け、音の聴き方について書いていきます。
音の聴き方の概要
聴音って先頭から順番に覚えているわけではないこと、ご存じですか?
一般的にはまず大きく掴んで、その後細部を書き込んでいきます。
そのためには、まず拍を把握することが第一歩です。
1.強拍をつかむ
突然ですが、学校への通学路を思い浮かべてみてください。
「改札を出て右、最初のコンビニで曲がって信号までまっすぐ」など、目印になるものを複数覚えているはずです。
この目印が音楽では強拍になります。
3拍子であれば「1」、6拍子であれば「1」と「4」です。
まずは強拍の位置を感じて、その音を書くことから、それはつまり小節の頭の音を記憶する作業です。
2.拍感を保つ
もう少しこの拍の取り方について書きます。
強拍つかみでは、どんな揺さぶりがあっても拍の感覚を保つ必要があります。
ところが、細かい音符に釣られて拍が速くなったり、タイを聴いた途端に拍が乱れることがあります。
ただこれはよく起こることなので、あまり残念に思わないでください。
改善する為の方法が色々あって、聴音で鉛筆を持たない方の手で拍を打ちながら聴いたり、リズム打ちをやるなど、拍をとる練習をします。
慣れるまでは難しいですが、少しずつ拍がとれるようにしていきましょう。
3.記憶の精度を高める
再び通学路に戻りますが、「あそこの家には紫の花が咲いていた」といった、途中の道の細かな記憶はありますか?
それは学校に行く為に必要な情報ではないので、覚えていない人が多いと思います。
しかし、聴音では全ての音を覚えていかなくてはなりません。
仮に先ほどの紫の花が「たらりら」という16分音符の繋がりだとすると、こちらは「ソシラシ」なのか「ソドラシ」なのかまで、細かく覚えます。
紫の花どころではない、花の形状や枝ぶりまで覚えていかなくてはならない、この辺から本当に難しくなります。
ポイントは記憶です。
通りすぎてしまうところを、あえて意識して「記憶」する練習が必要です。
4.普段の練習で記憶力アップ!
記憶の練習は、普段の楽器練習でも可能です。
例えば譜読み。
「ここは早めに暗譜した方が便利」「この音型開始音違うけどさっきと同じ」などと、意識的に深く譜読みをします。
通せるようになった曲では「冒頭を歌ったり書いたりする」「幾つテーマが出てきたか考えてみる」「一番低い音はどこに出てくるか」「一番高い音は何か」など、自分の記憶を確かめるゲームを自分に課してみるのもよいです。
普段の練習ルーティーンに組み込めば、常に記憶の訓練をしていることになります。
やり続けることが大事
ちょっと大事な話。聴音が出来なくたって演奏が上手い人は沢山います。
ただ、「聴く・書く・読む(演奏する)」が密接に繋がっていることも事実なので、自分の持っている力を目覚めさせるという目的で、聴音をするのはプラスだろうと私は考えています。
別に出来なくたっていいやと思いつつ、短くやさしいものからやってみる。
そして一定期間は続けてみると、そのうち変化が表れます。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。