政府からのクリスマスメッセージ
先日、面白いものを見つけました。ハンガリー政府が作ったクリスマスメッセージ動画です。
現政権の政治活動の一貫かもしれませんが、動画自体はよく出来ているので紹介します。
使われている音楽は、ハンガリーのクリスマスキャロル「Mennyből az angyal」をポピュラー風にアレンジしたものです。
ビデオの最初の頃に屋台で焼かれている茶色い物体は、「Kűrtőskarács(キュルテーシュカラーチ)」というお菓子。棒の周りに薄甘いパン生地を巻き、グラニュー糖をかけて火で炙れば出来上がり。外はカリカリ、中はほわっほわ、私はシナモンシュガー味が好きでした。
女性コーラスが出てきて教会の中で歌うシーンは、「エステルゴム大聖堂」が舞台になっています。ハンガリー王国初代のイシュトヴァーン1世が戴冠式を行なった場所で、ハンガリーにおけるカトリックの総本山でもあります。
この大聖堂には、はるばるイタリアからモンテヴェルディがやってきたという記録が残っています。当時仕えていたマントヴァ公のお供として訪れたようです。また、オスマントルコ軍の襲撃で破壊され新たに建て直された時には、リストがこけら落としにミサ曲を書きました。
古い家の前で大皿に輪切りにしたお菓子をのせて笑いあう二人の女性がいますが、彼女たちが手にしているのはクリスマス菓子「beigliベイグリ」です。
クリスマス時期にはこれを何本も焼いて、少しずつ食べていきます。代表的な味として「mákosケシの実入り」と「diósくるみ入り」とありますが、はじめてならくるみの方が食べやすいかな。生地にはイーストが入るので、ケーキというよりパン寄りのお菓子です。薄く伸ばした生地に甘いペーストを敷いてぐるぐる巻き、溶き卵を塗ってオーブンで焼きます。全長30〜40cmになる長いお菓子ですが、これを2〜3mmに薄くスライスして食べます。断面はきれいな渦巻状。家庭でも作りますが、スーパーでも買えます。
スケートをしているのはバラトン湖。海がない国の彼らが「ハンガリーの海」と呼ぶ場所で、夏場は避暑地として賑わいます。
最後のメッセージは、クリスマスの決まり文句のひとつで、「祝福された平和なクリスマスをハンガリーに!」という意味になります。私はこの言い回しを知らなかったので調べたのですが、「Áldott」には「神聖な」という意味があり、特に宗教色を強く出したいときに使うのだとか。英語だと「Have a blessed and peaceful Christmas」になります。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。