音楽会に足を運んでもらうのは大変です
6月の終わりに歌のYちゃんの演奏会に行ってきました。
1ステではフンパーディングのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を抜粋で上演。2ステは出演者それぞれが勉強中の歌を独唱するというプログラム。
特に前半の1ステは楽しくて、1時間以上の熱演の中、客席を巻き込む進行で会場に笑いがこぼれていました!
さらに面白かったこと。ロビーで会場のご近所にあるパティスリーの店員さんが、フランス風の焼き菓子を販売していました。カフェや売店のない小さな会場でしたが、その日だけの特別出張販売だったそうです。
「ヘンゼルとグレーテル」を観ていたせいで、誰もがお菓子が食べたい気分になっていて、「お会計3000円になりまーす!」なんて声が聞こえてくる。飛ぶように売れていました。
いつのまにか音楽会にあまり足を運んでもらえなくなりました。
だから演奏者は工夫をしないと客が呼べません。どんな工夫かというと…
例えば演奏の合間の語り、曲紹介を充実させた読み応えあるプログラム、装置や衣装など耳だけでなく視覚に迫る演出に凝る人もいます。ゲストを呼んだり、珍しい楽器を交えて楽器紹介をするという事もあります。これらはすべて来てくれたお客さんに楽しんでもらうための策です。
今回の「お菓子屋さんの出店」というのも工夫のひとつです。演目ともマッチしているし、いい企画だなぁと思いました。
Yちゃんに裏話を聞くと「何か面白いことはできないかと考えて、近所のパティスリーに頼んで回った」そうで、その発案力、交渉力に感心しました。