ハンガリー時代のレッスンの想い出
先日、昔レッスンで使った譜面をパラパラとめくっていて、留学中に通っていたピアノのレッスンを思い出しました。
やさしい笑顔のアーギ先生に、「私はバルトークを弾いたことがないのでやってみたいです!エチュードはレベルを見て何でもよいので選んでください。」とお願いしました。
一応音大は出てるし、それなりのエチュードをもらえると思って通い始めたのですが、最初の課題が「三和音の転回形を2回ずつ弾き、一番下の音(あるいは真ん中・一番上)のみ浮き立つように弾く」というものでした。
「じゃーん・・・じゃーん・・・じゃーん・・・」
変なことをやらせるなぁと思いました。なにしろ練習が単調でつまらない。つまらないのになかなか許してくれないのです。真ん中の音を浮き立たせるのは意外に難しい。曲は色々もらえて楽しかったのですが、レッスン冒頭は一年ぐらいその和音が続き、いつになったら違うことをさせてもらえるんだろう?と少し不満に思っていました。
ところが今になってこの技術が、四声聴音の課題を弾く時に大いに役立っています!音のムラをなくすのにも役立ちますし、その生徒が苦手とするパートを浮き立たせて弾くこともしてあげられる。アーギ先生のおかげです。
音楽では、その時は理解できないとしてもあとで宝物だとわかる、そんな事が沢山あります。
もちろん、誰かにとって当たりの指導法が、他の人にとってはハズレのことも。ただ、最初の段階で手を広げて受け入れる気持ちがないと、当たりかハズレかもわからないままです。そういう意味で、常にオープンハートでありたいと思っています。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。