視唱のレッスンでの話

受験生の視唱のレッスンを見ているとおおよそ3つのタイプに分かれます。

「曲の途中で迷ってしまい音程も狂う」

「正しく歌えているが小さい声である」

「正しく歌えているが一本調子である」

レッスンではまず傾向を見極め、課題を選んでいきます。

「曲の途中で迷ってしまい音程が狂う」生徒は、数をこなしていれば上手くなるかというとそうではなく、原因を探ります。音階や音程をやり直し、体に感覚として入っていないのは何なのかを見ていきます。

「正しく歌えているが小さい声である」生徒は、自分の声に自信が持てない生徒が多く、自信がつくとなんの問題もなくなることがあります。この場合は伴奏あり・なしに関わらず数を歌っていくことで劇的な変化を見せてくれます。

「正しく歌えているが一本調子である」生徒は、あまり伝わってこないのでもっと大ゲサにやってと伝えます。究極のところ課題がつまらないのかもしれないので、ダンノーゼルを使ったりして歌心を引き出します。

問題なく歌える生徒には、ハ音記号読みやリズム付き譜など、応用課題を歌い進めます。

桐朋に通っていた頃に授業で、とある有名人の音高時代の話が出ました。

私たちが身を乗り出して「(視唱で)どんな歌をうたっていたんですか?」と聞くと、先生が「上手いというわけではないけれど、〇〇君は当時から味のある歌をうたっていたわね。」と。一同納得。

歌にはその人の持っている音楽感が出ます。
視唱の勉強は自分の歌を探す作業だと考えられると、能動的に取り組めます。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。