調性からの逸脱、新たなリズム形や音階など、作曲上の工夫に限界が来る頃に(もしくは飽きが来る頃に)、楽器編成や使用楽器、新しい奏法、時に電子音を入れるなど、新たな試みがあちこちで始まります。

ヴィラ=ロボス(1887-1959) ブラジル風のバッハ(バキアナス・ブラジレイラス) の中から第5番

ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの代表作。9番まであり、どの曲も楽器編成や作曲スタイルが異なりますが、この5番はチェロ8本とソプラノの為に書かれています。

ソプラノが歌詞ではなく母音で歌っています。「ヴォカリーズ」とよばれる歌唱法です。↓

 

武満徹(1930-1996) ノヴェンバー・ステップス

日本を代表する作曲家でもある武満徹(たけみつとおる)は、独学で曲作りを学んだ人です。
ストラヴィンスキーにも絶賛されたことのあるその音楽は、唯一無二、独特の精神世界を持っていて、外国人はタケミツの音から日本という国を想像しました。
以下の動画では、親交のあった小澤征爾が「ノヴェンバーステップス」が初演から好評だったことを語っています。初演はニューヨーク、1967年です。

続いて作品の演奏(前半のみ)↓
ソロを和楽器奏者が担っています。演奏する2人は国宝級に上手い人だそうです。琵琶という楽器を演奏している姿はめったに見ないと思うので、どんなバチなのか、弦は何本なのかもチェックすると面白いですよ。

オリヴィエ・メシアン(1908-1992) 世の終わりのための四重奏曲

メシアンは所謂「共感覚(音を聞くと色が浮かぶ)」の持ち主で、『楽譜を読む時も、それに対応する色彩が見える』と言っていました。作曲にもそれが生かされています。

「世の終わりのための四重奏曲」は、メシアンが第二次世界大戦中に捕虜となった時に、収容所内で書かれた作品です。同時期に囚われていた音楽家にあわせて編成が組まれた為、通常と異なるカルテット(バイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノ)となっています。全9曲。
冒頭、メシアンらしく鳥たちの歌からはじまります。
余談ですが、メシアンは鳥が大好きで、世界中の鳥の鳴き声を採譜して作った『鳥のカタログ』という作品があります。日本の軽井沢でも採譜したそうですよ。
収容所で書いたなんて!どんな音楽でしょうか。聴けるところをかいつまんで聴いてみてください。↓

 

スティーブ・ライヒ(1936~) 18人の音楽家のための音楽

アメリカの作曲家で、ミニマルミュージックの巨匠と呼ばれています。
ミニマルミュージックは、その名の通りミニマル(最小限の)ミュージック。1960年代にアメリカで生まれた音楽で、ある持続音に、極短い音素材を執拗に反復させ、さらに少しずつずらして変容させていく音楽手法です。
と書いてもよくわからないと思うので聴いてみてください!

面白いことに客の反応は、眠くなるか、気持ちよくなるか二手に分かれます。「これ大好き♪たまらない」という人も多いです。ジブリ音楽の作曲者久石譲もそのうちの一人で、彼は近年ミニマルミュージックのCDを提げてツアーも行っています。

ジョン・ケージ(1912~1992) ソナタとインターリュード

舞台に出ていって何も弾かない『4分33秒』で知られるアメリカの作曲家ジョン・ケージ。
彼を語るには偶然性の音楽という言葉がキーワードになります。
『作曲家が作ったものを予定通りに演奏、聴衆は黙って聴く』
そんな従来の音楽を「もう古いよ!」とばかり、さまざまな工夫を試みた人でした。

この曲では、ピアノの中にネジや消しゴムなどを指定通りの箇所(ミリ単位で指定されている)に挟み演奏をします。こうした細工をしたピアノを「プリペアド・ピアノ」といいます。

挟み込みの様子はこちら↓

実際演奏している光景はこちら↓すごい音でしょう?

まだまだ面白い音楽があるのですが、今回は以上です。