ガーシュウィンの「サマータイム」を聴く
夏真っ盛り。モワッとした空気の中、「サマータイム」が聴きたくなりました。
オペラ『ポーギーとベス』の中の一曲で、ジャズのスタンダードナンバーとしても数えられます。
作曲にあたって
オペラ『ポーギーとベス』あらすじ
舞台は1920年代。サウス・カロライナ州チャールストンにある黒人街「キャットフィッシュ・ロウ」。
足が不自由で物乞いをして暮らすポーギーは、美しいベスと出会い、二人は愛し合うようになります。
しかし、ベスの暴力的な元恋人や麻薬の誘惑に翻弄され、悲しい結末を迎える悲劇です。
『サマータイム』は子守唄
「サマータイム」は『ポーギーとベス』で最も知られたアリアで、劇中で3度歌われます。
第1幕ではクララが子守歌として歌い、第2幕でクララが再び歌い、第3幕ではベスが歌います。
ジャズやポップスなどで単独に取り上げられる「サマータイム」は、基本的に第1幕でクララが歌う形をもとにしたものです。
ジャズの語法を取り入れた独特の和音使いで、閉塞感とけだるさを見事に表現しています。
オープニング・アリア
オペラの冒頭で歌われる「Summertime」。主人公カップル(ポーギー&ベス)の隣人クララが、赤ちゃんをあやしながら子守唄「サマータイム」を歌います。穏やかで幸せな場面です。
他にもイイ曲がいっぱい
例えば「It Ain't Necessarily So」。
ベスを誘惑する薬の売人が、「聖書に書かれている話が必ずしも真実とは限らない」と、すこし茶化して歌う曲です。メロディが非常に強く、一度聴くと忘れられなくなる曲です。
参考動画は、南アフリカを代表するオペラ団体「Cape Town Opera」が、2019年にドイツ・フランクフルトで行った公演だそうです。男性歌手Musa Ngqungwanaがとにかく素晴らしく、圧倒的な歌唱力と存在感で、会場全体の空気をつかんで魅せてくれます。
組曲『キャットフィッシュ・ロウ』
ガーシュウィン本人が、オペラの主要な音楽を抜粋・再構成した管弦楽作品です。
曲が始まってまず耳を引くのが、シロフォンの難所です。
続いて、オーケストラ作品では珍しいピアノ・ソロが登場。さらに、執拗に繰り返される同じリズムによって高揚感が徐々に高まり、やがて弦楽器が「サマータイム」の旋律を奏でます。
心が動く瞬間を探そう
どこか人を惑わせるような美しい音楽。聴いていてどんな感想を持ちましたか。
もしかして「ここが好き」「胸がぎゅっとなる」なんていう部分が見つかりませんでしたか?
そういう心が動く場所には、作曲家の工夫が隠されていることがあります。理由がわからなくとも、ぜひチェックしておいてください。
5年、10年経ってから「ああ、だからあそこが好きだったのか!」とわかることもあります。
それは、自分の音楽の聴き方が深くなった証でもあります。
そうやって昔の「好き」が少しずつわかっていくのは、とても嬉しい瞬間です。
『サマータイム』の編曲版
ハイフェッツ編曲のヴァイオリン版。実は伴奏が肝で、ピアニストによって「洒落てる!」にも「上手いけどなんだか平板」にもなってしまう編曲です。
武満徹のギター版。鈴木大介氏の演奏です。
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大人の方もご参加いただけます。
