音階の問題に中音・下中音が多い理由
「変ホ音を中音とする短調は何か、答えなさい。」
といった問題、入試によく出てきます。
音階問題に出題される音には、やたらと中音・下中音が多いのをご存知ですか?
今日はその秘密について書いていきます。
*「中音」は「上中音」と書かれている教科書もありますが、ここでは「中音」と記します。
違いは中音・下中音にある
まず前提からおさらいです。
音階には長調と短調があります。
さらに長調は1種類、短調には3種類に分かれます。
ところで、これらの音階が弾けますか?
もし弾けない場合は、どの音からでも弾けるようにしましょう😊
問題を解く為には耳に音階が馴染んでいる必要があります。
私たちが勉強しているのは「音楽」なので、音が頭の中で鳴らないと始まらないと思ってください!
ここでは例として、ハ音から始まる長調と和声的短音階を、調号なしで並べてみます。
短調の方には確認の意味で導音(7)にナチュラルを付けました。つけなくてもいいです。
両者を比較すると違いは赤丸をつけた箇所のみです。
つまり、長調と短調の違いは、「3番目の音(中音)」「6番目の音(下中音)」のみということになります。
それ以外の箇所は短調も長調も同じ音なのですから、せっかく問題にするなら「中音か下中音にしよう」と考えたくなるのもわかる。
これが中音・下中音の出題率が高い理由です。
旋律的短音階(上行形)の場合
次に旋律的短音階ではどうなるのか?
結果からいうとやはりこちらも「中音・下中音」がポイントです。
そうそう、たまに問題の中に、「但し、短音階は旋律的短音階の上行形で考えなさい」等々、注意書きが書かれている時があります。
旋律的短音階は上下で音が違うので、こういう但し書きがされますが、これも段々と慣れていけるとよいです。
以下に「和声的」「旋律的(上行形)」の2つの短音階を比べてみました。
音階が3つ並んでいますが、まずは下の2つの短音階を見ていきましょう。
青丸部分、6番目の音(下中音)に違いがあります。
つまりは短調だからといって同じではない。「和声」なのか「旋律」なのか確認してから解かなくてはならないということです。
長音階と前述の短調2種を比較すると、これまたややこしい話になります。
あっちは同じ、いやこっちは違うぞ、という感じで、でこぼこ….
しかしこれらも規則性がないわけではなく、やはり中音・下中音に注意すれば解けるということがわかります。
旋律的短音階下行形の場合は?
旋律的短音階(下行形)の場合はどうなるのか?
これはノートに書いて研究してみてください。あれれ?7番目も….
音階を研究してみること、一度は自分でやってみるとストンと納得できます。
仕組みがわかると、「属音」あたりが出た時などはサービス問題のように感じます😄♪
まとめ
音階が体の中に入っていないうちは問題は解けないので、ピアノで弾いたり声を出して歌ったりして耳に馴染ませましょう。
理解を深めるために、「長音階」と「和声的短音階」と「旋律的短音階(上・下)」の比較の表を作ってみると色々発見できます。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。