演奏中の携帯音いろいろ

先日シフ・アンドラーシュの演奏をはじめて生で聴いてきました。

今回は事前にプログラムが発表されておらず、当日に彼自身の進行で曲目が判明するというサプライズスタイル。わくわくしました!

シフの音はやさしくて大好き、ちょっぴり憂いが混じっていて切なくなります。

 

さてさて今日書きたかったのは、私の聴きにいった日とは違う日の出来事です。

シフ日本ツアーの最終日、もの凄く悪いタイミングで観客のアラームが鳴ってしまったそうです。

その場にいなかったのでこれ以上は書けませんが、「X」で流れてくるのを読むと、がっかりしている人、怒っている人、かなりザワザワ。

着信音ではなくアラームだったとのことで、ドキッとしている人もいるようでした。(マナーモードは設定によってアラームが鳴るのだとか?)

 

誰もが持っているデジタル機器、演奏会で音が鳴ってしまうと言うアクシデントも珍しくなくなりました。

演奏者の対応はさまざまで、大抵はなかったことにしてそのまま演奏を続けますが、中には一度袖に引っ込んで出直したり、思い切って中断して何か言葉を発する人もいます。

 

稀にアクシデントを自分の演奏に取り込んで昇華しちゃう人もいます。

よく知られているのは、角野隼人の「ラプソディー・イン・ブルー」。

鳴った音が「リリリリリン」だったこと、曲がガーシュウィンでちょうどカデンツの部分だったこともあり、瞬時に自分の音として取り込んでしまいました。

これがブラームスだとどうなるか。こちらはチョン・ミョンフンのリサイタルの一場面です。

携帯音に集中を遮られたマエストロ、客席と言葉を交わしながら気分を紛らわします。

ふと携帯メロディの終止音が次の曲ブラームスの「4つの小品op.119-1」開始音F#だと気づき、即興で繋げて弾いていきます。

現実世界からブラームスの精神世界へ、自然と誘っていくそのさまがお見事です。

2例とも幸運が重なったケースで、こんな風に救われることはまずありません。

演奏会では携帯の電源は切る癖を!

鳴ってしまった音を消すことはできなないから。

私も明日は我が身と思い、より一層気をつけます。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。