谷川俊太郎「かっぱ」でリズム練習

リズム練習の変わり種に「詩」を使うことがあります。

谷川俊太郎さんの『ことばあそびうた』はリズムの宝庫!

読んでいるだけで愉快な気分になれます。😊

大勢で読む方が楽しいですが、個人レッスンの材料としても使っています。

「かっぱ」を使ったレッスン

1)そのまま読み上げる

どこで一息を置くかはカンの働かせどころ。

「国語」の勉強のように思えて、フレージングの勉強になっています。

2)1行ずつ読み上げる

2人ならかわりばんこで、複数人であればみんなで、一行ずつ読み上げます。

上手に継ぐには前の人の行を聴いていないといけないので、聴く力育ちます。

3)「かっぱ」だけ読み上げる

これは盛り上がること間違いなしの遊びです。

生徒は「かっぱ」だけ言って、残りは私が読み上げます。

この「かっぱ」というワードの音の面白さも大事、なんと魅力的に響くことか!

受け渡すには同じテンポにのらなければならず、拍感を保つ練習になります。

簡単なようでそうでもない。

「逆バージョン」もしましょう。私が「かっぱ」だけ、生徒は残りを読み上げます。

4)「か」が出てきたら手拍子する

先ほどの「かっぱ」だけ言えるようになった後に、さらに手を加えます。

「か」が出たらパチンと叩く、それだけですが、スリリングで楽しいです。

「かっぱ」以外にもかの付く所がありまして、「かった」「かって」など少し反応する場所が増えるのもよいのです。

バシッと決めるためには口や頭だけでなく、体全体が音楽的になることが求められます。

更に難易度を上げる場合は後打ちの練習として「ぱ」で叩くなども試してみてください

5)「かっぱ」だけ読み上げない

リズム練習で「指定箇所をわざと叩かない」というのはよくやりますが、「かっぱ」を読まないとするのも面白いです。

これは心の中で音を鳴らす作業、内的聴感を育む目的でやりま

6)楽語を付ける

AccelerandoやDecrescendoなど付けてみるのも面白いです。

楽語の意味確認にもなるし、一緒に読み上げる人とせられるか感覚と耳と両方を使います。

1人だけ先行ってしまうのはだめ。ちょうどよい具合で出来るかのセンス磨きにもなります。

7)音の高さを指定する

「か」だけその生徒が歌いやすい高さの音を指定して(例えばA音)、そのほかの文字は完全5度下(例えばD音)で歌う、といったこともします。

頭の中で文字を音に置き換え、しっかり反応できるかという応用問題です。

またこちらが決めるのではなく生徒に音を選んでもらう、即興的要素を取り込むのもよいです。

こういう時に「こうしたい!」という発想が出てくる人は舞台に上がっても強いです。

どんな詩を選べばよいか?

詩を使ったリズム練習で「どんな詩を選んだらよいですか?」と聞かれました。

私は「自分の好きな詩を選ぶ」と決めています

どんな詩にもリズムがありますが、自分が好きじゃないと楽しく出来ないからです。

もうひとつ気をつけているのは「無邪気な詩を選ぶ」です。

感覚を子ども時代に戻して選定すると、良い詩が見つかる気がします。

失敗が怖くない課題

「レッスンでこうした脱線課題をいつ使うか?」という問いをもらいます。

現在やっていることが上手く進んでいるのならあえて脱線する必要はないと思います。

ただ、なんとなくつまらなさそうな顔をしている時や、苦手な事が多くて停滞している時など、空気を変えたい場面には使える課題です。

進んで歌いたがらない子や、声変わり期の青年、意外な所で大人の初学者とのレッスンにもぴったりです。

この課題の最大の長所は間違っても笑えることだと思います。

笑うと体の力が抜けますし、ユーモラスな内容が失敗の怖さをやわらげてくれます。

こんな楽しいものを書いて下さってありがとうと感謝しつつ、今日も「とってちってた♪」です。

「とってちってた」はラッパの音を表しています。昭和生まれは知っているのですが今は聞かなくなりましたね。

童謡『おもちゃのチャチャチャ』の2番には「なまりのへいたいトテチテタ らっぱならしてこんばんは」という歌詞が出てきます。私の個人的なイメージでは、まだ習い立てのユーモラスなラッパという感じです。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。