即興遊びはいかが?

クラシック音楽でも、バロック以前の作品やオルガン、協奏曲のカデンツなどは、自分で音を考えださなくてはならない場面があります。そこで今日は「即興遊び」の話です。

はじめて見た「即興」授業

ソルフェージュの授業で「即興」をやっているのをみたのは、桐朋の仙川教室でのことでした。

授業内容は、「ピアノが2台ある部屋で、先生と生徒がそれぞれピアノの前に座って、変わりばんこに4小節程度の即興断片を演奏、セッション形式で1曲を作る」というものです。
(他の先生はやっていなかったので、おそらくその先生のオリジナル授業です。)

何をやってもよいフリースタイルだったので、生徒によっては音が出なくて苦労している子もいましたが、先生が間に入ることで曲になっていきました。独奏だと出来ないこともセッションだと出来るので、そうした狙いがあったと思います。

セッション形式で聴く力をつける

その後その先生から刺激を受けて、私もレッスンで即興を取り上げるようになりました。ただ、本物の即興には遠く及ばないクオリティなので、「即興遊び」と呼んでいます。
私の生徒たちにはフリースタイルは難しかったので、調や拍子などあらかじめ決めて難易度を下げています。肝となる「セッション形式」はそのままです。

実際やってみてわかったのは、子どもたちの音が少しずつ変化を見せるということです。例えば、最初はフレーズ断片しか作れない子も、徐々に相手のメロディに答えようと「応答」の形を取り始めたり、教えることが難しい「呼吸」なども進んで感じとろうとします。セッション形式だからこそ相手の音を聴かないわけにいかないのですね。遊びではあるけれど、これは良い勉強になる!と思いました。

即興に近道はない

最後に残念なお知らせです。(笑)
これで「即興が上手になる」というわけではありません。
経験を積めるのでメンタルに余裕が持てるなど一定の効果があるとは思いますが、センス良い即興を生み出す事とはまた別の話です。
良いと思った人の真似をする演奏会に行くプロの良い演奏をたくさん聴くetc..地道な努力で少しずつ力をつけるといったことが、何よりもベースになるのかなと思います。
心折れずにがんばりましょう!

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。