子ども時代に教えてもらえたら良かったこと
長く音楽に携わってくると、「子ども時代に教えてもらえたら良かったのに!」と思うことがたくさんあります。
先生は言ってくれていたのに生徒が受け取れず流してしまっていることも多々あるのですが、(自戒をこめて)問題に気づいていない先生、気づいていても他にやることが多すぎて流してしまう先生、いろいろです。
そんな中、最近私が意識していることは『バランス』です。
音楽は全身を使うので、体のバランスが良い人のほうが上手に演奏します。
これって、大人になってからどうこうしようと思っても限界があり、子ども時代から意識すべきことのような気がしています。
わかりやすいところで例をあげるならば「噛み癖」です。
口の形が音に影響するので、管楽器や歌の人が意識することのひとつです。
片方でばかり噛んでいると顔の形がゆがんで、アンブシュア作りに苦労するそうです。
歌の人にとっても、響きや発音に影響が出るので、強く意識することのひとつです。
他には「姿勢」も重要です。音楽する人の体は楽器の一部ですから。
音楽家の「バランス」に関する話。他にもいろいろ聞きます。
もしかしてソルフェージュでも出来ることがあるかな?
ある日、「手のバランスはどうだろう?」と思い、リズム課題の叩き方を変えました。
普段は「左が拍、右がリズム」と叩きますが、時にこれを逆にして練習したり、たまに足を使ったり、まんべんなくあちこち使う。
「耳はどうだろう?」
いつも同じ音域にならないように、低音のみ、高音のみの聴音もよくします。
高音を出す楽器の人は高音がよく聞き取れるなど、楽器特有の耳感覚というのがあるのですが、訓練しないとその音域以外が聞こえにくくなり、受験の時に苦労します。
どの音域の音でも拾える耳が持てるように、子ども時代に鍛えておきたいことのひとつです。
「目はどうだろう?」とも考えて、譜面を逆から読むこともしています。
実際逆さにひっくり返しても読める譜面というのがあるわけですし。ただこれは目というより、脳のトレーニングになるかな。
子供時代にこうした豊かな経験ができると、物事を柔軟に考えられる人間になり、結果的に音楽もふくふく豊かになる可能性が高まるのではと考えています。
◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎
千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。