楽器との対話

昨晩、マリア・ジョアン・ピレシュ(ピリスのほうが馴染み深い)の短いドキュメンタリーをやっていました。

(正確な文言は忘れてしまいましたが)興味深かったのは「最近はピアノが難しく感じる」と言っていたこと。「昔より楽器が進化した分、音が鳴りすぎてしまい、ピアノと奏者が一体でなくなってしまった」というようなことを語っていました。

たしかに楽器が進化したおかげでピアノの表現の幅は広がりました。
しかし、現代の楽器ならではの悩みとでもいいましょうか、ほんの少しのさじ加減でものすごく音が変化します。よほど丁寧に対話しないと思った音は出せません。

その後、本番前のリハーサルシーンが映し出されたのですが、ひとつの和音の響き具合を何度も確かめている姿が印象的でした。ピアノに「どう?」「これはどう?」とやさしく問いかける感じ。

他にもいろんな言葉がちりばめられていて、良いドキュメンタリーでした。
もう一度観ても気づきが得られそうです。

Maria Joao Pires gives piano masterclass (1)

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。