わらべうたの師匠

G先生が新天地へお引越しされるということで、ハンガリー民俗舞踊の達人R先輩とお世話になっているピアノのN先生と、4人でお別れランチをしてきました。時期は異なりますがそれぞれに深い接点があり、懐かしい話もたくさん出てきました。

G先生にはいろんなお顔があるのですが、私にとってはわらべうたの師匠です。

桐朋での勉強を終えた頃、色々と不足を感じていた時期があり、教えながら大学通信教育で児童学を勉強しはじめました。都合七年間の長い大学生活を楽しく送りながら、目標だった幼稚園一種免許も取得しました。

任意だった卒論も書くことにして、選んだ研究テーマが『わらべうた遊び』でした。G先生に無理を言って3ヶ月ほどサークル見学をお願いしました。保護者の方にアンケートを書いてもらったり、G先生のご紹介でやはりわらべうたに造詣が深い先生方にインタビューをさせてもらったり、短い期間ですが実に多くのことを学ばせてもらいました。

論文の内容を少し振り返ると、教室内で観察できた動きをもとに、社会性の発達について考えました。
わらべうた遊びには思ったより多くの動作が含まれていて、「歩く・走る(逃げる・追う)・手をつなぐ・手を合わせる・円になる・円になり押す・手をつないだまま引っ張る・突然止まる」などが観察できます。これらは自分だけの呼吸で動くことのできないものばかりで、いわゆる社会性の発達を促す一助となります。なんとなくそうだろうなと思っていましたが、理由がはっきり示せたのはこの観察の成果でした。

唄の特徴ではテンポにも注目しました。同じ唄でも遊ぶ年齢によって異なるテンポを好むことや、唄によっては繰り返しの度にテンポを変化させることで、大人の指示ではなく、子どもたち自身が遊びの魅力を増幅させていることなどに気づくことができました。どれも経験が浅かった私にとって大きな発見でした。

新天地でも活動を続けられるというG先生。本当に「好き」だけを原動力に続けているという澄んだ姿勢に心打たれます。もちろん教師は皆そうなのですが、長く続ければ色褪せていく。ところがG先生は常に澄んでいるのです。
遠くに行ってしまわれるのは寂しいですが、またいつか胸を張って再会できるように私もがんばろう!、と思いを新たにしました。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。