発想力について考える

先日の恩師の演奏会を聴きながら考えていたこと、発想力についてです。

作品の中に、「これは楽譜上どういう指示が書かれているんだろう?」と不思議に思う音がたくさん出てきました。先生がはじめて発明した唱法もあっただろうと思います。作り手にとっても、演奏者にとっても、発想力は大事です。

そういえば授業でも先生の発想は常に斬新でした。
いつだったか「大学1年のクラス授業で、記憶に頼ってサン・サーンスの『白鳥』のメロディを楽譜に書き起こす事をやったのよ」という話を聞かせてもらいました。

「わぁ、面白そう!」と思い、その日の晩に早速私もやってみました。
まず迷ったのが拍子です。音はなんとか書けましたが、何調だったのかは正確には覚えておらず、結果として勘で書きました。よく知っていた曲なのに、「よく」は聞いていなかったということになります。

この課題は少しトリッキーでですが、私は良い課題だと思います。
まず『白鳥』自体を知らなかった子は早速『白鳥』を聴くでしょう。拍子や調がわからなかった子は、今度からは一歩踏み込んで作品を聴こうとするでしょう。他にも注目すべきポイントがあり、どのレベルの子にも学びの種をまけます。普通に聴音しているよりはずっと勉強になると思いました。

自分の音楽レベルが上がれば上がるほど、こうした奇問との出会いは増えていきます。なぜなら音楽の世界は発想力の高い人の集まりだからです。どんな課題であってもまっさらな気持ちでぶつかっていき、自らの発想力も高めていきたいものです。

↓ミッシャ・マイスキー先生の『白鳥』です。

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。