長い曲をどうやって覚えているのか?

音楽家が長い曲をどうやって覚えているのか不思議に思いませんか?

子ども時代の私も、とても不思議に思っていました。

手が無意識に助けている部分が多いとは思いますが、脳の中はどうなっているのでしょうか?

何かを理解しようとする時には、まず大きく形を把握することが大事です。

例えば新聞を読む時は、見出しを目でざっと見てから興味ある記事を読み始めるように、情報量が多いほど大きく見る目というのが必要です。

音楽では1小節めから音符を追っていきますが、それを地味に繰り返しているだけでは暗譜は難しく、意識的でなかったとしても、大きな目で「形式」を読んでいます。

日本の音楽レッスンでは「形式を教える」と言う話はあまり聞きませんが、ハンガリーでは小学生の頃から熱心に「形式」を教えています。

内容は民謡を使った形式把握で、一部形式や二部形式ばかりです。

誰でも理解できるやさしいものから、繰り返し形を把握する耳を養います。

こうして形式を把握できるようになると、音楽が小節線を超えて感じられるような耳になります。

またのちに複雑な形式に発展した時も、「ここまでで一区切りだろう」と、勘が働く耳になっていきます。

「覚えるくらいまで練習しなさい」とよく言われますが、そうして必死に覚えた音が、本番ではぽこっと消えてしまうことも。

暗譜は手だけに任せていられません。

暗譜に苦手意識がある人は、一度「形式」に目を向けると何か開けるかもしれません?

◎ソルフェージュ教室・ラソラ◎

千葉県柏市で音大受験準備レッスンをしています。